村上龍 読書

村上龍の質問術

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人生で能動的に取材をやったことはない。
人に聞くことでしか得られない情報が必要なことがほとんどないからだ。
本で調べたり、ググったり、考えたりでたいていのことはこと足りる。

人に聞かないとわからないような質問が生まれるのは相当深く勉強し、理解した後だ。
しかし私はそういう専門性を持っていない…。

村上龍『村上龍の質問術』では、テレビ番組「カンブリア宮殿」での村上の取材ノートを示し、オンエアでの質問を選択するに至った経緯を記している。
タイトルにあるような「質問術」という言葉の持つ安易さ親切さというニュアンスにはほど遠い、本だ。

いい質問で大事なのはたった4つのこと

世の中ではよく、答えより問いを設定する人材が必要だと言われる。
今の教育は答えを出すことに偏重していて世の中に合っていない、という文脈で使われる。
従来はピラミッド式に、上から問いを与えられて大多数の解く人間がいればよかったが、どうもそれではうまくいかなくなってきたらしい。

ニュースなどでの記者の質問でも、?な質問はよく見る。
記者だからといって、みんなが質問できるわけではない。
質問は、すごく難しい。興味を保った勉強がいる。

村上がこの本で主張し実践してきた「質問術」は4つの項目からなり、シンプルである。

・時間的なPhase、および参考資料の種類と量
・核となる質問の発見
・時系列と空間軸の変化を見る
・リスペクトとユーモア

極めて平凡で目新しさはあまりないが、誇張もなく信頼感がある。
地道にやるしかないんですね…。

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