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家族は思い込みの絶妙なバランスで成り立っている-家族八景-

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・〜したほうがいい(上司から)
・前向きに検討します(客から)
・率直に言って(友達から)
・やる気のないやつは帰れ(先生から)

という言葉を日本語訳するとそれぞれ、

・〜しろ(相手に選択肢があるような印象を与える)
・あなたの商品は買いません(遠回しないいかた)
・今からあなたにとって失礼かもしれない言葉を言います
・帰るな

ということになります。

基本的に相手への印象を和らげるためでありますが、そのまま受け取ると受け取り手が損をする結果となります。

これで何度損をしてきたことか・・・。
実際の言葉の意味するところは字面の通りではありません。
慣用句と言ったほうが正確かもしれません。

こういう誤訳しがちな言葉の日本語訳を教えてほしいです。

誤訳がめちゃくちゃある生活を意識することはあまりないかもしれません。
正解かどうか確認も難しいわけですから。

そんなときは、筒井康隆『家族百景』を読んでみるのはどうでしょうか?

家族といっても、それぞれが好き勝手にいろんなことを考えていることがわかりますよ。

あらすじ

テレパシーを持っていて、目の前の人の心を読むことができる少女、七瀬。

彼女はテレパシーをひた隠しにしながら、転々と仕事ができる住み込みの女中として働いていた。
8軒の家族が抱える醜い偽り、軋轢。

表向き平和でも、内心ではいがみあい軽蔑しあう家族たちを描いている。

登場人物

火田七瀬・・・テレパシーを持っている。女中として最初の家族に来た時点で18歳で、美貌があるが目立たないように地味な格好をしている。

シリーズ

七瀬シリーズとして『家族八景』、『七瀬ふたたび』、『エディプスの恋人』の3部作になっています。

家族八景は女中として働いていましたが、ラストでは女中の仕事をやめることを明らかにしています。
これ以降はどうなるのか?ということですが、ウィキペディアで調べてみてみると全く毛色が違うみたいです。

心理ドラマが一転して超能力アクションな感じになる・・・?ようです。

印象的なシーン

1章の「無風地帯」にてテレビを消すと静寂が襲うシーン。

喋ることがないけど、テレビで話題が提供されているとさも理想的な家庭のように振る舞うんですよね。すごくよくわかります。

あと嫁入り関連の妄想。
そういう視点で家族を見たことがありませんでしたが、当然そうなるよなあ・・・と感じました。
見ず知らずの他人ですので・・。
今まで気づかなかったのは、想像力の欠如か・・。

子供の目から見るのと、大人から見る家族像というのは全く異なることを知りました。

まとめ

えげつない真実を見てみると、言葉の真意がわからないのは、いいことなのではないかという気にもなってきます。
家族は思い込みで成り立っている、といえるかもしれません。

そのバランス感覚が奇跡!かもしれません。

言葉どおりに受け取らず、相手の立場に立ち、よく観察して真意を考えたいものですね。

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