村上龍 読書

弱者が生き残る方法

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変化はチャンス。
隕石で恐竜が絶滅し人間の祖先が生き残ったように、変化は強みの前提を変え、ときに強者が倒れつぎの強者を生み出す。
まさに強者が好きそうな言葉だ。
じっさいは生存バイアス(生き残った人だけが伝えられる)に過ぎず、多くの弱者の小動物は意味もわからず死に絶えたことだろう…。
社会や経済においても同じだ。
弱者のなかでも危機感を持ち努力を続けた弱者のなかの強者だけが次の強者に這い上がっていく。

『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 変化はチャンス』では、変化・苦境を克服すること、危機感を持ち続ける仕組みで大きな成長を遂げた社長へのインタビューを収録している。

1.意識を変える
2.苦境を乗り越える
3.強みを活かす
4.成功し続ける
のようにカテゴリ分けされて並べられている。

言葉にもなっていない不便を解決する

アイリスオーヤマ大山社長のインタビューが面白かった。
問屋と小売を同時にやっていることが会社の特徴で今でこそユニクロなどあるのだか、当時は一般的ではなかった。
いかにして強み、他社との違いと考え自社でアイデアを出して製作まで行うようになっていたか、はアツい展開。

透明な収納の話は興味深い。
透明で中身が確認できる箱は以前は普及してなくて(タンスとか、段ボールとか)収納は隠すべきものだという常識があった。
で、透明なのなんて売れるわけないとなっていたけど、社長はいや確認できたら便利だろうということで製作して売り出して、たくさん売れた。
一つの文化、常識を作り変えた。

買うとき、自分が何を望んでいるのかわからないことはよくある。
必要なモノは揃ってるが、なんとなく不便。
質、安さ、デザインという強みの方向性もあるが、
形になっていないアイデアを具体化していけるという強みもある。

アイリスオーヤマはそういう強みで、自社でいろんなのをデザインし作って売っている。
たしかにふと見るとアイリスオーヤマだったりする(店自体には行ったことないが)…地味で、なんの企業かよくわからないイメージがあるけど、ふと身近にあって支えている企業ってカッコよくない?

企業一覧

紹介された社長・企業一覧。
リンクはWikipediaへ飛びます。

星野佳路 星野リゾート
畑中利元 ユザワヤ
井上英明 パーク・コーポレーション
雨宮清 山梨日立建機
川田達男 セーレン
大山健太郎 アイリスオーヤマ
富山幹太郎 タカラトミー
大平喜信 雪国まいたけ
小林佳雄 物語コーポレーション
西山敷 ダイシン百貨店
松谷貫司 マニー
佐藤順一 カクヤス
田中通泰 亀田製菓
小松安弘 エフピコ
梅原勝彦 エーワン精密
芳井順一 ツムラ
宗次徳二・宗次直美 カレーハウスCoCo壱番屋
田中良和 グリー
藤田東久男 サトー
辻本憲三 カプコン
伊藤雅俊 味の素

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