村上龍 読書

『カンブリア宮殿4』ユニークな企業が多くて面白い

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世の中にはいろんな企業があって社会を支えている。
たいてい知名度、ブランドでなんとな~く知った気になっているが、何をして稼いでいるかをじつは全然知らないことも多い。
勝ち組の集団に入る=人生勝ち組というのはいまだに機能しているように見える(大企業の人見ると卑屈になっちゃう)。
価値を自分に付加するという意味では外からどう見えるかだけが重視されるので、中身は必要ではない。まあ知っててもその職務につけるとは限らないけどね!

労働者の6割くらいは中小企業で働いているわけで、ブランドに憧れるのは自分の首を絞める可能性が高い。
ということで今のうちに仕事や企業って中身ややりがいが大事だよね()という価値観をはやめにインストールしておいたほうがよい。ついでに周りにもそう力説しといたほうがよい。

人生リスクヘッジ(たぶん)。
ブランドではない価値を多く知っておくことは精神的にも、やりがい的にも必要だと思う。
ということで今回は『カンブリア宮殿4』の紹介。

ユニークな企業が多い印象

『カンブリア宮殿4』では、以下のような視点で各企業がまとめられ、並べられている。

・メーカーか、それとも部品か: Manufacturer or Parts?
・原点は美味
・教育とビジネス
・量から質への転換
・新時代の経営

ほかのカンブリア本と比べて、特殊というかユニークな企業が多い印象を受ける。
もちろん変化に合わせて生き残るために結果としてユニークな企業のかたちになったのであり、そこらへんのなりゆきが解説されていて面白い。

ずっと読んできて、カンブリア宮殿では以前からある大企業の話はあまりおもしろくないという結論にいたった。
確かにヤバくなった大企業を立て直すのはスゴいことだし個人にとっての教訓などもあるのだろうが、地味で抽象的になってしまう。人間論とか語り出しちゃってちょっと違うよなー…と思う。広告担当みたいになっていることもある。いかに当社は人を大事にしているか、的な。

それよりも、企業全体が手の届く時期から考え、努力して急成長させた人のインタビューのほうが面白いし、説得感がある。それが創業者ということなんだろう。
創業者後継者どちらに価値がある、難しいかということは置いといて、話としては創業者のほうが圧倒的に面白い。

興味深い企業

興味深い企業がいくつかあった。

・平成建設
大卒の大工を雇い育てていく、というのが目を引く企業。
前何かのテレビで見たことがあるがなんかキラキラしていた印象がある。

・王将
王将大好きです。
あの符牒とか、席から厨房が見えるシステムの話は興味深い。
味だけじゃなくて雰囲気が好きなのかもしれない。

・キッズシティジャパン
子供が子供スケールの街で職業を体験できる施設。
前になにかの雑誌で見たことがあるが、ずっと外国だけにある画期的な施設かと思っていた。
日本にもあるんですね…。
職業体験はバイトのみ、からの一括採用でよく知りもしない会社に入ってうまくいくわけないですよね…ミスマッチして当然。
むしろ大学生バージョンがほしいくらい。
バイト変われよって思うかもしれないが地方都市のバイトの種類って異常に少ない、コンビニばっか。

・メガネ21
利益を出さずに社員に配分するらしい。給与は公開。
正直仕組みはよくわからなかった。
宗教に近い団体だがべつに宗教というわけでもないらしい。
こういう企業があることに衝撃を受けた。
こき使われるのが当たり前かと…。

企業一覧

企業一覧(当時の名前)。
リンクはWikipediaの該当ページに飛びます。

スズキ
コマツ
日本電産
加賀電子
安川電機
日本生活協同組合連合会
千房
王将フードサービス
大地を守る会
キッズシティージャパン
品川女子学院
アルプス技研
アドバンスト マテリアル ジャパン
平成建設
鍋屋バイテック
生活創庫
ハードロック
速水林業(※公式ページ)
いろどり
中村ブレイス
日本理化学工業
トップリバー(※公式ページ)
ピープル・ツリー(※公式ページ)/グローバル・ヴィレッジ
メガネ21

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