野村総合研究所が2017年7月に出した、ランキングによる都市の持つ「清澄化可能性」の可視化(PDF)を読みました。というのは、雑誌の都市ランキングの資料になっていて元ネタを見るためです。なぜか1年前の資料が元ネタになってたわけですがこのランキングに興味を持ったのは我が鹿児島市が、なんとポテンシャルランキング2位、総合ランキング5位だったからです。
当然うれしいものの、やたら九州が多い。ランキングや評価対象になにか罠があるのではないかと思い、読んで考えてみました。
資料の概要
ランキングを作成した目的は、国内としの産業創発力の現状及び将来のポテンシャルを可視化し、「ローカルハブ」になりうるポテンシャルを持った都市を浮かび上がらせること。
とあります。ローカルハブというのは、地方だけどその土地独自の産業が発展していて、外貨を稼ぐことができる地方、という意味らしい。実例としては、アメリカのシリコンバレー、オースティン、ドイツのレーゲンスブルクなど。日本の地方は東京化を目指すのではなく、これらの都市のような独自産業を持ち、独自の発展を目指すべきだという。確かに日本の地方都市の大半は代わり映えしないですね・・・どこも東京を目指してるからでしょうか。そんななかで、独自発展を遂げる可能性の高い都市ランキング・・・ちょっとワクワクしますね。
分析方法としては、分析対象とする100都市の統計データ+ウェブアンケート(情緒的要素)とのこと。現在の実績だけでなく、将来のポテンシャルも評価するのだそう。つまり・・・ポテンシャルランキングとはいえ、単に伸びしろが多いということではない、のでちょっと安心。
ランキング結果
総合ランキング・・・
1位 東京都特別区部
2位 福岡市
3位 京都府
4位 大阪府
5位 鹿児島市
6位 つくば市
7位 札幌市
8位 松本市
9位 久留米市
10位 佐世保市
ポテンシャルランキング・・・
1位 福岡市
2位 鹿児島市
3位 つくば市
4位 松山市
5位 久留米市
6位 松本市
7位 札幌市
8位 宮崎市
9位 那覇市
10位 熊本市
となっております。見ての通り、やたら九州が強いwちなみに東北はどちらも10位以内に入っておりません。
謎なのは、都市別の結果です。福岡市の指標はかなり優れていて、福岡スゲーとなり、実際人口も増えている・・・となるのですが、2位の鹿児島の指標のショボさ・・・これが2位wどうしたw
大体が都市のくらしやすさ的なものに支えられている。移住したい都市ランキングとかならいいと思うけど、これはローカルハブになりうる都市をランキングしたもの。経済的に弱く(100都市中83位)、人材活用もショボい、人材集積ができてないのでもランクインするんですね。ランキングが上だったから見てみたものの、グラフがなかなかひどいですね・・。
経済的にはアレだけど、地域の住民に優しい地方都市っていうのはまあフツーに予想できるというというか、そこらへんに転がってそうな感じですが、違いを分けたのは多様性への寛容度や外部からの人材受け入れということのよう。一見同じような都市に見えても、けっこう違うようです。九州が多くランクインしたのはそこらへんの気性が理由か。
結論
人口が減少していくと聞くと全体的に沈んでいくイメージ。でも不景気と同じく、淘汰され一部は発展する・・・といったほうが正しいかもしれない。これから発展していくということがイメージできなかったけど(世代的に)、一部では確実に成長していく。成長が見れるのを楽しみにしておこう・・・。