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藤原竜也のキャスティングの意図が鑑賞後わかるサスペンス

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前情報がない中で当たったときの喜びは半端じゃない、というのを前々から思っています。今の時代、映画やゲームだけでなく、おカネがかかるものはすべてネットで下調べをするのがふつうになっています。NETFLIXなどでアクセス可能な膨大なコンテンツから選び方がわかんなかったり、失敗したくないからどんどんレビューを重視するようになっていました。Amazonでも重視するのは星の数です。

まあ通販はともかく、作品鑑賞においてはあまり参考になりません。面白くても納得するだけだし、面白くなかったら損した気分になります。ハードルが調整されちゃうんですよね。スゲー面白い!ってなるのはハードルを超えたときなので、前評判で上げたハードルがなかなか予想外になることはないです。

本当におもしろいのは、何も知らずに見て、偶然当たることです。ハズレも当然たくさんあると思いますが、そのハズレにもいろいろあることに気が付いたり、あまりのクソッぷりに笑ったりもできます。

知り合いに映画好きを自称する人がいましたが、聞いてみると人気とか、一部で人気とか、世間での評価ばかりを言っていました。見方も、昔のばかりで、評価の定まったものばかり見ていました。また、どこで知識を入れたのか映画のうんちくの話ばかり。自分の意見と説得感がない彼の映画の話は、異常につまらなかったのです。

22年目の告白 -私が殺人犯です-

さて、今回は『22年目の告白 -私が殺人犯です-』を見ました。これがいい意味で期待を裏切ってきました。Amazonプライム・ビデオ、NETFLIXと見放題サービスにどっぷりと浸かってきた私ですが、見るのを自分で決めるきつさに苦しんでおりました。テレビが見れるようになったことにより、金曜ロードショーを楽しめるようになったのです!何気なく見れる。自分で決めなくていいってラクですね・・・。自立はだから難しいのかも・・・。

映画の前評判については全く知りませんでした。テレビ見ないと、映画の情報もまったく入ってこないんですよね。映画館に行く習慣もなかったですし。ロードショーの最初にある映画紹介からは、いかにも藤原竜也そうな、ワンパターンな展開が透けて見えるようでした。公開から1年で地上波というのも、いかにも人気がないという感じ。いつもの、もはや様式美の域に達した藤原竜也を観よう、と思いました。こういう猟奇的そうなの嫌いじゃないですし。

あらすじ

22年前に起きた連続殺人事件が時効を迎えた。それに合わせて、犯人が名乗り出て反省を示したり、警察を批判したり、本を出したりして、マスコミを賑わせた。被害者遺族の気持ちを考えない、むしろ一番むかつく無意識的振る舞いに、キレる被害者遺族たち。いっぽうで握手会をやれば大人気になるくらいの、謎の人気もあった。

犯行の特徴は殺害を近しい人に目撃させたという残虐な手口。22年が経っても被害者家族の傷は癒えずにいた。不自然な点もある事件、名乗り出た犯人の真の意図とは!?

藤原竜也の演技がすごい

藤原竜也の演技がすごかった。いつもと同じような役柄ですが・・・。今回はちょっといつもより顔がコワいなあと思ったらちゃんと理由があり、オドロキ!

『藁の楯』でも似たような、世間から恨まれる役でした。あれも刑事モノで「いい味」なB級感出してた思い出。今回もか・・・というのは壮大なミスリード!映画をまたいだ伏線と言える。

どう展開するかのわからなさ、ミスリード

この映画の特徴として、どう展開するかが全くわからないってのがありましたね。冤罪モノ?猟奇?刑事モノ?人情モノ?社会派?メディア批判?最初の10分で、いろいろ予想させてくれました。とにかく広告も全く見たことがなく中身を全く知らないので、予想しました。NETFLIXで見る海外の映画やドラマもだいたいこんな感じか、もっと予想つかなかったりしますが、覚えにくい多国籍の人名や地名、顔を認識するのに脳の容量が割かれあまり予想まではできなかったりします。そこらへんの負荷の高さが除々に見なくなった原因なんですよね・・多分。

見終わったあとからすると、サスペンスといったところでしょうか。複雑そうに見えて実は明快なストーリーなのですが、それは最初のミスリードといえます。こんなストーリーになるのかなー?と思わせての展開は、重要なものを覆い隠すのに都合がいいんですね。後から考えると藤原竜也というチョイスも、ミスリードでした。藤原竜也出演のイメージをわかった上での、途中まで巧妙に合わせた上での劇的な展開!

マスコミ描写

この映画では、普段人が見ているようなテレビやニコニコ動画の画面が多く登場します。テレビに合わせた阪神淡路大震災の実際の映像、ナレーター、テロップ、時効制度・・・と合わせて、絶大なノンフィクション感を演出します。映画じゃなく、報道番組、ノンフィクション番組を見ているような感じになったこと多数です。

事件、時効、出版の一連の顛末も映画というより、現実に起きた出来事をカメラを通して見ている感じがしました。カメラ・画面を意識することで、より現実っぽく感じられるヘンな感じ。自分の目で見ている風景よりも、テロップのある画面ごしの現実のほうがリアルに感じられるような。

オチ的に、ストーリーでマスコミ描写は必要だったといえますが、本当のノンフィクション見ているくらいだったのでまた別のおもしろさを生み出しているような気がします。

どのくらいのスキャンダルのレベルなのか?

さて、ここからは重大なネタバレです。とはいえ、最初でミスリードとか言ってる時点で今更感はしますが・・・。

仙堂氏が真犯人だったわけですが、スキャンダル的にどのくらいのレベルなのか、ということがすごい気になります。監督がアメフトで殺人タックルを命じて我存ぜずを決め込んだり、官僚が夜に呼び出して幼稚な言葉責めのセクハラしたり、アイドルが未成年を襲ったりするのが霞んで見えますねwほんとにあったら放送会社ごと潰れてしまうのでは。

なにしろ番組持ってるキャスターが過去に残虐な方法で5人殺し、番組内でアツく語っていた事件が自分の起こした事件だっていうのはスゴいですよ。最近は色んな人がスキャンダルしてますが、これくらいのが起きたら、だいぶハードルも下がるんじゃないでしょうか。

サムの息子法、時効

犯罪経験を本にするというのは過去何度も問題視されてきたことです。酒鬼薔薇事件の加害者が書いた本が物議をかもしたりしましたね。アメリカでは加害者が犯罪物語で利益を得ることを防ぐ「サムの息子法」を制定している州があります。

劇中でもそうした犯罪者の手記ビジネスや、時効制度の不条理に触れていました。が、あえて深く語ることはせず、視聴者に考えさせ、サスペンスを深掘りしていた印象です。もしより触れていたら、印象の薄いものになったかもしれません。削るのは苦しかったでしょうねえ。

ということで、映画『22年目の告白 -私が殺人犯です-』、超おもしろかった。おすすめ。

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