村上龍 読書

村上龍のエッセイには2種類ある

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村上龍のエッセイには2種類ある。
専門的なことと、日本社会にすぐ絡めて書く場合だ。
専門的テーマのときはたとえば、淡々とテニスやサッカーの面白さや買い物について書くのだが、すぐ絡める場合はテーマが何であろうと、社会的な解釈をして書いている。
例えば恋愛エッセイのはずなのに、狩猟社会について書いたり、日本経済や父権について書いたりする、ということだ。
私はすぐ社会的なことに絡めるほうが好きだ。

『MUNDIAL 2002』はサッカーエッセイである。
「フィジカル・インテンシティ」シリーズとしては4巻目にあたる。
欧州サッカーについて専門的に書いてきたシリーズの4巻目であるが、その中身は少し変化しているように見える。

日本社会に触れることが多くなってきた。
専門的と日本社会に絡める中間のエッセイと言える。
イチローなど中田英寿以外にも、海外で活躍する選手が増えたことがあるだろう。
時代的に日本社会が生きる道筋、モデルを見つけられず、活力を失っているということもあると思う。

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