実在不明の幻のジャズ・バーは世界各国で噂され、感動した人間は多くいるもののその場所を明確に覚えている人はいない…
村上龍『恋はいつも未知なもの』は幻のジャズ・バーを巡ってそれぞれのシチュエーションで歌を象徴するような物語が描かれる、短編恋愛小説集である。
よくわからない
ストーリー群は、傷心のところふらりと寄ったジャズバーの雰囲気が最高で、そこで歌われる歌に登場人物は感動させられるが誰も2回行ったことがないし記憶が曖昧だ、という雛形に沿っている。
コンセプトとしては料理で人間関係を描く『料理小説集』とかワインを描く『ワイン一杯だけの真実』と似ていると思う。
人間関係を描いているのか料理を描いているのか、どちらが主役なのかはよくわからないが、系統は同じ。
が、料理、ワインと同じく歌もなのだが、それらを知らないからわけがわからない。
歌詞だけで理解できる気もしない。
知っててもわかるものなのかはわからない。
理解しないといけないとも思っていないが、読むのはきつかった。
相変わらず、村上龍の短編はよくわからない。あと恋愛小説も。
2つ組み合わさってわかるわけがないのだ。