目次
はじめに
サウンドノベルとは、文章に、BGMや効果音、絵がついたソフトのこと。わかりやすくいえば電気紙芝居。立ち絵のありなし、フキダシのありなし、選択肢、分岐のありなしなど多様性がある。
選択肢があるものは、アドベンチャーゲームのいち形式となったりもする。 気づけば、けっこうこの種類の作品をプレイ?してきたので、その中からよかったものを挙げていこうと思う。 安心してください。ネタバレしません!(あのネタではない)
フリーゲーム編
悪の教科書
唐突に起こるいじめられっ子の教室での殺人。その意義とは・・・?
社会批判サウンドノベル。 読むのに9,10時間くらいかかったと思う。 作品は5つの人物で構成されていて、それぞれ違ったテーマ性があり、同じ時間軸でつながっている。 最初の人を読み終えると、次の人が選べるようになる・・・というかんじ。 それ以外には選択肢はなく、純粋な読みもの。
作者が、先生(あるいは過去に)だという感じが細かい描写から伝わってくる。熱意、青臭さ、教育欲、理想・・・が溢れている。
衝撃の始まり方で、いきなり引き込まれた。引き込み方が非常にうまいと思います。そしてとてもリアルで凄惨な描写(文字による)・・・。 さらに過激な、極端な意見、直接的な社会批判。
社会通念上アリなのかと、ひとつの解決策にはなるだろうが・・・、といういじめ問題に対するクリティカルな提言。 しかし、道徳と問題解決能力は反対の意味だという言葉もあり、ただそれを過激とらえるのは間違ってるかもしれない。 そのまま実行しようとは思わないけどさ。
まずアニメとか映画にはならない。だからおもしろい。 こういうスゴイのがあるから、フリーゲームというジャンルが好きだったりする。結局表現の自由は経済的に自由になって初めて生まれる、ということなのかもしれない。
読み進めてもすごい心にくる内容だった。衝撃度は1話が最高で、あとは感動・怒り・社会批判が待っている。1話が特殊で引き込むためのものであって、けっしてずっとグロくて犯罪的なものが出てくるわけではない。むしろ友情・恋愛・尊敬・感動と人間のプラスの感情にフォーカスしている。
ラスト(エピローグ)はちょっと、アレかなと思ったけどね。ちょっとムリあるかな〜と。ちょっと話がでかすぎた感は。あれはなくてもよかったかも。ネタバレになるから言わないけど・・・。 社会批判サウンドノベルと銘打って、解決策も提示しているというのがすごいと思う。批判だけしてたらただの文句だもんね。
渇望スル島
廃墟になった島を探検して楽しむグループが、島で遭遇する出来事とは・・・?
4つの分岐によってまったく違う作品が楽しめる無人島探索系?作品。モデルや画像は明らかに軍艦島で、廃墟趣味な人には聖地になっていることを知った。ちょっと行きたくなりました。すべて読むのに12時間くらいかかった。
確か、辿り着いたのはホラーなサウンドノベルを探していたときだった。 怖かったなあ食いしんぼ編・・・。 編というのは、序盤の選択肢によって物語が4つに分岐するためだ。テイストも全く違う分岐になる。どれくらいかというと、ホラーとコメディになるくらい。
序盤の設定は同じで、同じ伏線でも、生かされ方が違ったりする。サウンドノベルの特性活かしてんなあと思った。
編の中で一番好きなのは宇宙人侵略編かな・・・どうしようもない絶望感のお腹いっぱい感がすごかったです。
ひとかた
街をおびやかす「牛鬼」を倒すために奔走する主人公。そもそも牛鬼とは何なのか?倒すためには?タイムループの理由は?
衝撃、愛、感動、の3つでできている。 読み終えるのに10時間くらい?
言っておきたいことは、違和感を感じたら考えることだ。ちゃんと回収される。これってネタバレかな。 でも回収されないって思って適当に読んでたら回収されたときの残念な感じになるよりはずっといいと思う。
主人公の魅力がハンパない作品でもある。 話おもしろすぎ。ふざける感じかっこよすぎ。 そして女好きすぎ。ふざけてながらも頼りになるところがいいですね。
最近知ったのだが、古いバージョンがあり、そっちのバージョンは18禁な部分があるようだ。ゲームを投稿するサイトの都合でなくなったらしい。 探してちょっとやってみたのだが、たしかにちょっとアウト!と言葉とかあります。個人的にはそっちのほうがいいんだけど。でもBGMがないのはちょっとさびしかったので、新しいバージョンが一番。
BGMは神でした。聞いてると落ち着く、懐かしさすら感じる。
なんと歌もあり、最後のボーカルの入ってる歌には感動しました。
死に至る病
死にゆく仲間を脇目に、生きるために手段を選ばない主人公。飢餓の監獄から抜けだしたが・・・。
読み終えるのに10時間くらい(複数ルートあり)。 食糧危機の日本で生き残るというストーリー。 なんでこんな世界になったかの説明はほとんどない。大切なのはそこじゃなく、特定の状況にさらされたときの個人だ。そんな日本で県庁とか出てくる感じが新鮮だ。県庁っていっきに身近な感じでない?
どうしようない、荒廃した世界な感じが好きです。 背景とスゲーあってると思う。ぼかした感じで、想像力を働かせやすい。立ち絵はなし。 主人公たちのちょっとワルい人たちの感じも世界観にあってんなあ・・・。
分岐によってクリアできない。 ショボく見える分岐が超重要な分岐だったりした。
世界観(何回目だ)通り、うん・・・な終わり方かもしれない。やってればわかる。これは幸せにはならない・・・と。よってネタバレじゃない。
クリア後にのみできるストーリーをやるのを忘れないようにしよう。
忘れ物と落し物
↑冒頭での一幕。文体、BGMが最高です。
ゲーセンでよく見るふしぎな「彼女」。さらに「僕」のする不思議な体験が意味するものとは・・・。
10時間くらいで読める。一言で説明できないストーリー。 オチの鋭さ、音楽、背景でだいたいわかるだろうか(わからん)。
頭おかしい系、意味不明なストーリーだと思いきやちゃんと回収してくれるのでじっくり考えてください。畳み掛けてくることを約束する。このノベル狂ってね?雰囲気はいいけどさ、からの論理だった説明、怒涛。
文章がかなりプロっぽい。幻想的というか、ふわふわしたかんじ。村上春樹っぽい成分もちょっと入ってると思う。
文章だけでなく音楽もめちゃくちゃ好き。 なんというか、そのまま音楽プレーヤーに入れて聞くくらい好き。 エレクトロニカ?な感じがすげーかっこいい。
ゲームシステムが特徴的で、それがちゃんと意味を持ってきたのに衝撃を受けました。
カイダン実ハ。
村人の口からそれぞれ語られる、その村の風習。ウソも入り混じるなか、複数の視点からその村の輪郭がうっすらと見えてくる・・・。
2時間くらいで読める。 様々な視点での、村での話を聞くというストーリー。 マジで怖い。
夜に電気をすべて消して、ヘッドホンでやると最高に楽しめる?と思う。上の画像からも、狂気が伝わってくるよね・・・。この文章で鐘がゴンゴンなってるだけのBGMですよ?コワすぎ。
有料編
ひぐらしのなく頃に
ある寒村起こる連続殺人事件。独自の風習と言い伝え、殺人事件、豹変する仲間と、村に隠された秘密とは・・・。
PCが原作だが、プレステシリーズを初め、アニメ化もされた作品。
やっぱり原作が削られてなくて一番いいと思います。コンシューマにはできないようなデリケートな問題が含まれているので削られたりしています。絵に不満がなければダンゼン原作がおすすめ。AmazonでCDを中古で600円くらいで買えます。新作はプレミアがあってスゴイ価格。
70、80時間くらいで読める(長!) 言わずもがなの定番超名作ゲーム。 村で起きる犯罪を生き延びて、謎を解くというストーリー。でいいよな・・・?ネタバレしそうで恐ろしいよ。 ちゃんと違和感にメモを取ったり推理しながらプレイしよう。選択肢はなし、立ち絵はバリバリある。最初の萌え絵とやりとりには「うわあ・・・」と思うのは当然だと思う。それでも我慢して読み進めよう。
正直部活パートはきつい部分もあるが、作者の意図だと思って、これが作品を最大限楽しむことなのだと思って耐えてください。
最後には感動が待ってる・・・確実に。怒涛怒涛の伏線回収にドキドキが止まらなかった。
evar17
深海のテーマパークで事故があり、取り残された少年少女。彼らは生き抜くことができるのか・・・?
PSPのゲーム。
30時間くらいで全ルートクリアできる。ほかの媒体もあるかも。 オチがすげえとよく喧伝されているゲームで、自分もそれ見て買ったクチである。そのおすすめしていたサイトでは すべてのルート をクリアして初めてものすごいオチ、衝撃だということだった。ネタバレの可能性になる検索とかを極力さけるように・・・と何度も書かれていました。なので分岐だけは攻略サイトを見てやったのですが、 ほんとにそうでした。 すげえよ・・・とものすごい鳥肌立ちました。
すごい推理しながら、メモしながらプレイして、微妙に合わないが強引にこういうものだろう、これ以上のすべてをつじつまを合わせる方法は存在しないと、こんなもんかフンと、自信満々の解答を用意したのだが、まあものの見事に裏切ってくれましたよ。もちろんいい方向に。
ルートは、彼女候補それぞれについてクリアしていくものとなっていて、正直あんまかわいいと思わない子もクリアしていかないといけなかったからキツかったけど、それだけの価値はあると思います。繰り返しになりますが、最後にすべてのピースがハマりますから、最後までプレイすることですよ!正直途中まではあんまおもしろくない・・。
パワプロクンポケットシリーズ
ある世界での20年間。さまざまな人生が交錯して、世界はできている。
任天堂GBA,DSのゲーム。「実況〜」のほうじゃなくて、「ポケット」ですよ!
1〜14までと、外伝が1つで15個の作品です。14人の主人公はみんな別の人。
それぞれの作品では、「実況〜」と同じように野球を軸にしてクリアしていくストーリーとなっています。ただ違うのは、時系列がつながっていること、ストーリーが黒いことです。
全15作品で時系列がつながっているので、前作での謎があとで明らかになることなど割とよくあります。中には3の謎が11で明らかになるなどの壮大な伏線もあります。
ストーリーの黒さというのは、強制地下労働だったり、彼女が失踪したり死んだり投身自殺する、バイト先の店長が刺してきたり、人体実験だったり、戦争だったり、テロだったり、まあそういうものです。もちろんどれもいきなりというわけではなく、しっかり描かれているのでやってるうちはそんなに違和感はないのですが。よくよく考えると野球関係ねえ!ってこと多いです。野球はおまけ。
6人ずつの彼女候補が用意されていて、「美少女ゲーム」的な楽しみかたをすることもできます。失敗すると死んだりして鬱になりますが、成功したときの喜びは格別。
テキスト量が膨大な上、アドベンチャーゲームという性質上見ることが難しいものもあるので、すべて把握するのは非常に難しいです。Wikiが非常に充実してるのでわからないことがあったら見るようにすれば途中からやっても楽しめます。最初は9,10をやると雰囲気を楽しめると思います。前作との関わりがあまりないし。逆に11,12などは前作との関わりが濃いのでよくわからなくなることが多いと思います。
迷作
さよならを教えて
学校でえげつないプレイ。頭おかしい。
プレイ時間12時間くらい(2人分のルートのみ攻略) 頭おかしい系エロゲー。毒電波が伝染して、不思議な世界に連れてってくれます。
こんな狂気に満ち溢れたものを、体験したことなかったです。
伏線はちゃんと回収してくれました。 でもほんとに電波なのでリアルでは人におすすめできないです。人格疑われそう。そもそもエロゲーだし・・・。 そして全く興奮できない・・・エロゲーだろお前・・・。
おまけ
人喰い掲示板の噂(フラッシュゲーム)
ある学校に、人喰い掲示板という掲示板があった。そこに名前を書くと、死ぬというデスノート的な噂である・・・。
プレイ時間は?わかりません。 これだけサウンドノベルじゃない。脱出ゲーム。 でもゲームで、文字によるストーリー重視という点では、これも同じようなものなのでこれもセレクト。
シリーズになってて、初日〜6日目、さらに外伝的位置づけで直接関係はないが、ほかに5話ある。 ホラーな脱出ゲームという位置づけだが、おもしろいところもかなりある。
キーワードは、もげえたん、校長・・・。
でもやはりホラーで、ミスると凄惨なことになったりする。
最初知らずに5日目からやって意味わからなくなりながら、クリアしたのだが、前に戻って納得。
ストーリーの繋がりがかなり重要である。 一箇所、びっくり系でゼーゼー息をしたくらい驚いたのがあったなあ・・・。
またやってみるとゼンゼン驚かないんだなこれが・・・なぜこれで驚いたのか不思議になったなあ。オレってビビリ・・・?脱出ゲームとしてはちゃんとヒントがあって、理不尽なものはないと思います。
まとめ
本の小説にはない、魅力があるサウンドノベル。 ただ絵があったり、音楽があったり、分岐があったりするだけじゃなくて、作風自体に独特なものが多いので好きです。
またBGMや効果音でホラーやサスペンスがマジで怖くなるのもいいですね。オレの中で、けっこう音楽や効果音が占める割合って大きいと思うんですよね。
じっくり推理していくものもけっこう多いので、推理好きな人、ホラー好きな人はぜひ参考にしていただけると思います!