兄弟の特徴
前回の続きから。
よくわからなくなる、ドミートリィとイワンと整理してみる。
ドミートリィ:長男で、学がないといわれ、直情型、退役軍人、粗暴、散財・・・。
イワン:次男で、インテリで、思想、自分の財産あり。
・・・こうして見るとゼンゼン違うじゃないか。文字にして見てみるって重要ですね。
こうした各属性によって文章を読んでいくと、ラクに解釈できる。あえて属性を考えずに解釈してもおもしろそうだけどね。
人間は自分の属性にもとづいて判断しているわけではないので、意外な判断の部分って多くあると思うんですよ。
接吻
『カラマーゾフの兄弟』でよく出てくるキス。
現在のロシアでも、年代が上の人は挨拶でキスをするらしい。
ということは、昔は若者もやってたということだ。
だがその意味合い、どのくらいの友好の程度を表しているのか、などはわからなかった。
作中での反応からいって、かなりの友好を表しているといっていいだろう。
いろいろ調べるなかで、ロシアはかなりスキンシップが激しい国だということがわかった。割と近くにあるけど、あまりロシアについて知る機会ってないよなあ・・・。
もっとも接吻だけじゃなくて、食事とかペチカとか有名な詩人とか、ロシアのとは知ってるけど詳細を知らなかったり実際映像として見たことはないものが多くて、一種民俗学小説としても読める。
物語、動く
中巻でやっと物語が動き始めた。
またサスペンスなのだな、そうこなくちゃ。
ここらへんからいっきにおもしろくなった。
今まで前提として語られてきた人物の関係などが変化していく。
特にスメルジャコフとイワンの会話にはぞっとしたね。
ああそういう側面から見ることもできるのかと。おもしろくない、なんでもないくだりが、重大な意味を持ってきて、ピタッとはまるかんじがすごい。
名作ってまあハズレがねえなと思った。
まあ おもしろいところに至るまでがゼンゼン楽しくねえけど 。
読ませる気、引きこもうとする気が感じられないけど、乗るとおもしろい。
今よんでるところ
今は下巻を読んでいるのだが、裁判がやたら細かくて、うまくできていて、新鮮なかんじ。
あれ?違う作品になってね?逆転裁判?リーガルハイ?
物語の世界が出来上がってるよなあ・・・いろんな視点で、恋愛、家族、友情、昼ドラ、宗教、思想、心理、サスペンス、裁判、・・・見ることができるのがその証拠だ。
よく物語を紹介する文句で世界観がすごい!なんていうけど、世界観ってこういうのこそを言うだろ!と思う(『進撃の巨人』の世界観がすごいので見てみて、と言われて見てみたがゼンゼン世界としての立体感を感じられなかった)。
そういうときに、キミ『カラマーゾフの兄弟』読んだことある?と言えるわけである。アッハッハッ!・・・。
あと これからVRが発達しても、なかなかこの領域に入るのは時間がかかるだろう!
文字だけの、目に見えない仮想現実が構築されていたのだ。
さいごに、あと下巻が半分ほどだ。さあどういうラストを迎えるのか、楽しみだ。