村上龍 読書

おとなしめ、経済エッセイ―『だまされないために、わたしは経済を学んだ』

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あらすじ

村上龍が主催する経済系メールマガジン、JMM。
そのメールマガジンで連載されたエッセイの1999年3月〜2000年12月の分を加筆修正し、まとめたもの。

経済メールマガジンだけあって、内容は硬く難しく、文調も珍しいことに、ですます体になっている。

内容

内容は基本的に、株価がどうだとか、国債格付けがどうだとか、そういう時事ネタ+経済なのだが、私の勉強が足りず、よくわからない。
作家ってよく勉強するんだなーと驚く。

硬い話題のであることのほかに、かなりおとなしめというか、丁寧なので、物足りない感じはする、たまに犬の話しとか趣味的なところ、零れ話的なところがあって、そこは楽しめた。

よくわからない

ほかのエッセイや小説で溢れ出す個性や、楽しんでる生きてる感じがあまりわからない、あの村上龍がやることなのか?という感じはする。
どこかの顔の見えない学者がやればいいことであって、経済を書くのは別に誰でもいいのでは?と思っていたが、一般向けにわかりやすく書く、という理念があるようだ。

小説のテーマで生物学を勉強する際に、海外で書かれたものを読むほうがわかりやすい場合があったという。
それは学者と一般人との間を取り持つジャーナリズムの慣行があるためで、ずっとわかりやすかったそうで、そういうものを目指しているとのこと。

一方で日本には、安易に漫画にしてわかりやすくしたような文化はあるが、それがわかりやすさになるかは別問題、とのこと。
また、科学的な厳密さと、漫画などのイラスト化は両立が難しい。
つまり、視点を変えて文章にしたほうが誤解が発生しにくくわかりやすい場合もある、しかしそうした取り組みはほとんどなされていないようだ。

村上龍の著作には子供にもわかるように解説したものが何冊かある、バブルで銀行救済のために使われた莫大な公的資金をほかのもので例えるとか、昔話風に経済的理念を伝えたり、14歳のための職業案内なんかも、そういう文脈の中の取り組みだったのだろうと思う。

10年以上経つわけだが、うまくいったとは言えないかもしれない、ITその他で解説する対象は増えているが、安易な漫画化を見ることは多いし、書店でも漫画で解説したものは山積みされ、むしろ漫画で解説の波は増えている。
それで専門的知見を持つ人は増えたのか、減ったのか気になる。

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