私見

10年後のコンビニ〜自動会計の衝撃〜

投稿日:

時は2028年4月。

九州の中堅地方都市に住む私は、現在の会社に入社して8年目になる。
私ももう30代だが、社内ではいまだにベテラン扱いされることはないのが不満だ(部下はいるのだが)。

独身だが、規則正しい生活をしているほうだと思う。

毎朝6時に起床し、卵かけご飯と味噌汁、野菜サラダを食べる。
食後は乳酸菌飲料を飲むのを忘れない。

しかし今朝は寝坊してしまった。
花粉がこのところひどく、10年前は花粉症じゃなかったのに花粉症になってしまい、そのせいで鼻がつまって眠れなかった。

今は7時15分。
急いで支度して車に乗れば会社に遅れることはない。
しかし、ご飯を抜くことになる。

今日は、会社に行く途中のファミマに寄ろう。
ちょっと高いが、仕方ない。

家の近くにあるファミマは、2車線の道路に面していて、車での客も多いが、近所の住宅街の住民も多く利用するような店だ。
50メートルほど先にセブンイレブンもあったが、以前は私もファミマでバイトしていた(この店ではない)ので、なんとなくファミマを選ぶことが多い。

比較的混雑した、店の駐車場に入る。
この時間はサラリーマンで混雑するので、少し気を使う。

車からスマートフォンだけを持って降りて、入店した。

ピロリロ・リローン・ピロリロ・リーン♪
と昔ながらの入店音が鳴る。

店内には3,4人のサラリーマン風の男と、パンを棚に入れている店員、それにコピーをとる若い女性がいた。

弁当コーナーには、20種類くらいの弁当があった。
私には小麦アレルギーがあり、さらに油っぽいものが苦手で選択肢は限られる。
事前に調べておけばよかったなと思いながら、スマートフォンを出して、商品にかざすと、小麦が使われていないものの中から油っぽいものがないものが表示され、よさげなものを手に取った。

近くに置いてあるお茶も取り、ゲートに向かう。

ゲートは一方通行で、出ることだけができる。
ちょうど駅の改札口みたいな形をしていて、そこを商品を持って通過する。

通過と同時にスマートフォンが震える。
引き落とし完了の通知と、会計の詳細が送信されてきたのだろう。

ゲートの外には、その場ですぐに食べられるコーナーがあり、電子レンジで温めてから急いで食べた。
レンジは商品を自動で判別して温め時間を決定してくれる。

車に乗り、会社へ向かう。
遅刻した。

-私見

Copyright© eニュースコム , 2024 All Rights Reserved.