刑事ドラマは基本的にシリアスだが、どこかお約束と決まりごとを感じる作品も多い。
探偵モノなんかも同じことが言えるのだが、毎回のエピソードは何らかの事件が身の回りで起こるとか、持ち込まれることによって始まるので、ある程度予想しやすい。
そういうことが繰り返されると、ギャグと化していく。
例えば『名探偵コナン』で旅行先で人が死ぬのには馴れきっているし、『相棒』で人が死んでも驚かないし手に汗を握る、ということもない。
悪いと言っているのではなく、連続ドラマの性質の話だ。
続くことがわかっているのだから、そうなりやすいのは理解できる。
真にハラハラするのは映画だ。
2時間のラストがどうなるかは、全くわからない…。
Netflixオリジナル映画『人狼』を見た(パーティーゲームの「人狼」とはたぶん関係がない)。
はじめて韓国映画(Netflixオリジナルで言えるのかはわからないけど)をまともに見た気がする。
北朝鮮と韓国が一つの国に戻った混乱した朝鮮半島で、公安、武装警察の「特機隊」、武装テロ組織が3つ巴の戦いを繰り広げるという話。
一応警察が舞台になっているので刑事ドラマといえるだろうがカテゴリーに入りきっていないくらい、シリアスな話だった(あの、ダースベイダーみたいなバカな戦闘服以外)。
北と韓国が統一された朝鮮半島、という時点で深刻な話になるのは予想がつく。
しかし、日本の映画の『硫黄島からの手紙』は「硫黄島の戦い」を描くというシリアスなコンセプトの割に終始演技臭く、バカみたいだった。
シリアスさは設定によって生まれるものではなく、映像全体で科学的に作り出されるものだと思う。
切迫感の理由
切迫感の理由をまとめてみると、いい戦争映画にも当てはまりそうな気がすることに気付いた。
『人狼』は刑事ドラマではなく戦争、内乱ドラマといったほうがいいかもしれない。
音声と演技
演技がうまかった。
…声が特によかったような気がする。
韓国語はわからない。
日本語字幕で見たので、セリフの読みがうまいかはわからないが、迫力が言語を超えて伝わってくる。
(理解できないが激しさがある、ということは重要かもしれない。)
美形、筋肉
美男美女で身長が高く、マッチョが多かった。
そういう人間は、スーツがよく似合う。
元々欧米人のものなので、体つきが彼らに近くないと似合わないのだと思う。
貧弱な体でスーツを着て、真面目な話をしていても残念ながらシリアスさは生まれない。
日本人でそういう役者があまりいないのは、そういうのが必要となる役が少ないからだと思う。
役が少ないのはなぜか?シリアスさが求められていないからだ。
ゴツい武装
ゴツいライフル、ヘルメット、戦闘服。
物語でのカオスな社会を裏打ちしている。
戦争か!?というくらいだが、現実に戦争が続いている国なので当然かもしれない。
マッチョが扱っているので不自然さもなく小道具として使いこなしているように見える。
あのダースベイダーみたいなのだけは不可解だが…。