村上龍 読書

時代を先取りした、キレイな不倫論

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不倫は、大前提的に悪いことだと社会規範で刷り込まれているが、不倫がなくなることはない。

経済力、社会的地位、人格、教養、あっちのテクニックなどなど魅力ある既婚者の男と、両方頼りない未婚者…、リスク含めて既婚者のほうがいい!みたいなケースがあることは簡単に想像がつく。
さらに自らに妻子がいることや、最優先はしないというフェアな情報公開がある場合は、崩壊のリスクが減らせるので、選択しやすくなる。
いつかの村上のエッセイで結婚制度はそうした強い男が女を独占しないように作られた制度なのだ…という言葉があった。
ああ、確かにそうだな…結婚制度を作った役人?学者?は確かに多数からモテる人間ではなさそうだ。

世の中では、あまり具体的に感じることはないままに格差が拡大しているらしい。
上流が上がってるのか、中流の没落か、下流のさらなる堕ちか、どれかはわからない(あるいはすべて同時)が、マトモで結婚可能な大多数を占めた男は少なくなり、一部のスゴい男がうなぎのぼりというのはイメージできる。
これから不倫、流行るかも(自己責任で)。
そのうちヘタな相手と結婚するより、正しい合意の上の不倫のほうが合理的、みたいなことになれば社会規範も変わっていくかもしれない。
とにかく経済が厳しくなれば論理的にどうと言っている余裕はなくなってしまう。
明日の飯に困るのだ。

さて、実際に複数の女性を堂々と囲える強い男とはどういうことを言うのかのお手本が、村上龍の小説『心はあなたのもとに』で描かれている。

あらすじ

西崎は外資での豊富な金融経験を元にファンドを立ち上げ成功した50歳代男である。
彼は一度離婚し、結婚の重要性を思い知った。
現在の妻とは娘二人をもうけ、非常に良好な関係を築いている。

家族の重要性はわかっていて、良好な家庭を持っていたが、彼は風俗業界で働く女と交際していた。
西崎と彼女らは、フェアな情報を持ち同意していて、彼女らが家庭を壊す心配はなかった。
彼女らは、最優先にならないことは理解し、付き合っていた。

香奈子はそういう関係にある女のひとりだったが、彼女に対しては特別な感情を持っていた。
彼女は持病の糖尿病が悪化で死ぬ。
西崎は彼女と交わしたメールを見返すなかで、様々な出来事、やりとりを思い返す…。

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