亜人
絶対に死ぬことがないが、外見は人間と変わらない「亜人」という存在が人々の中に存在する世界。
いまだ亜人に人権は認められておらず、亜人に対する実験映像が流失したこともある。
発見・捕獲すれば賞金という噂まで存在する。
そんな世の中で、自分が亜人であることを他人に見られたら(死なない限りじぶんが亜人だということはわからない)?というはなしが、アニメ『亜人』である。
Amazonプライムビデオもいいけど、netflixも試してみようということで、アニメ『亜人』を見てみた。
映像がすごく映画っぽい。
まず目を引くのは、フルCGだ。
最初はちょっとヘンな感じがしたが、完全に慣れた。
それよりもむしろ、影の感じや、ボケさせたり、背景超きれいだったり、ジオラマ風などの映像美がすごくて、感動した。
話の筋もあって、映画を見ている感じがした。
こんなにきれいで、むしろアニメのほうよりは時間がかかっていないのではと思う。
詳しいことはわかんないけど、一枚一枚書くよりは、モデリングして動かしたほうが手間がかからないような気がする。
あと、佐藤(大塚芳忠)の声が、フツーの外見して、丁寧な口調で狂気を感じさせる言動をする佐藤にすげーあってるんだよな。
映画っぽさ要素はここからくる面もある。映画の吹き替えで大量に出てくるから。
『亜人ちゃんは語りたい』との関係
は全くないらしいのだが、勝手にあると考えると面白かったりする。
『亜人』の時代で、亜人が社会権を獲得し、そのあとの物語が『亜人ちゃんは語りたい』なのだ・・・と。
ほっこりしてながらも、実はそんな血みどろの歴史があったんです・・・的なね。
実際あったら血みどろになるよな絶対・・・。
『寄生獣』との比較
いきなり自分が人外の力を持つが、社会的少数になるという設定では、『寄生獣』と似ている。
背景が似ていながらただ全く違う物語になるのは主人公の性格・アタマのよさの違いだろう。
『亜人』の主人公はたまに優しいけど、クズで、アタマがよく冷静だ。
また、おばあちゃんとほっこり二人で暮らすのも同じかな。
あのあたりの田舎でゆったりな感じよかったなあ。
あとは普通の苗字・外見でめちゃくちゃ強い相手・・・佐藤、田中とか。
これは社会的大多数と、少数との争いという背景が同じなので、同じになるものかもしれない。
少数の存在が大多数にありがちな名前を持っているという点がおもしろいのだ。
超笑えたところ
ずっとシリアスなのだが、たまにギャグがあってこのあんばいがとてもよい!
例えば・・・
・マルチ電気スタンド「事なかれ君」
おばあちゃんの家のテレビで流れた通販番組の商品。ばあちゃん家でこの番組が流れてるのすげえわかる。
・幽霊
政府側の人たちはかっこよくIBMといっているのだが、主人公含め亜人側の人たちは物語のあいだ中ずっと「幽霊」といっている。
幽霊いけ!という具合に。
これがシリアスなシーンにまったく合わない!だいたい外見がゼンゼン幽霊に見えない。ほかの呼び方ねえのかよ・・・。
・IBMのつぶやき
「おしっこしたい」は名言。1話で本人1回しか言ってないのに、ずっと出てくるもんなあ・・・。
あと「ブラック企業ってこんな感じかな」はシーンに合ってて笑った。
・謎のステレオかけまくり車
地下駐車場でアメリカの役人が戸崎を誘拐するシーンで、何の脈絡もなくステレオかけまくりでノリノリの車が駐車してくるのには笑った。
・かませの戸崎
任務すべて失敗する、名前間違えられる、タバコの煙吹きかけられてすげえ嫌そうに手で払う、後輩に地位を脅かされる、フリスク爆食い。
なんというか、かわいそうな方でした・・・。物語の早い段階で彼のかませっぷりは明らかになったが、それを挽回することはできないのであった・・・。
フリスク食ってるたびにこいつ誰かに口臭指摘されて気にしてんだな、でも口臭指摘してくれるくらいの友人がいるんだな、 いなそうなのに とか思う。
・アホの中野
・佐藤が凶悪事件を起こしているのをテレビの前でお茶を飲みながら見ている
この他人事感がいいんだよなあ。
普通は悪を倒そうなんて思わない。
物語のヒーローの嘘くささがないかんじがいい。
主人公のクズさ、優しさ
言うほどクズじゃない気もする。優しいときもある。
そういう曖昧なところって、現実と同じだ。
ばあちゃんとの別れのシーンは感動した。
カマを突きつけながら、ごめんね、そしてばあちゃんの気の利いたセリフ、別れ。
走っていくのを見守る、頼りげのないたち方と自然が、印象的だ。