前回の続きです。
Netflixドラマ『マインドハンター』の感想の後半です(前半はコチラ)。
※メモが甘く、エピソードの番号が多少違うかもしれません。ご容赦願います。
目次
6話
要約
事件の真実が明らかに。
しかし一番危険な男が比較的軽い刑に・・・
すっごく後味悪い
状況証拠ばかりで、何も証拠がなく、まんまと主犯格の男が
比較的に軽い刑になってます。
判事に言ってどうにかなると思いきや
どうにもならずそのまま・・・というのが
すごく後味悪いですね。
こういうのってありそうですね。
冤罪の逆みたいなやつ。
犯人ありきという考え方
この話では「明らかに悪い奴がいる」という描写でしたが、
10話を見たあとに思い返すとそう思わされただけかも、
ということも考えます。
10話で、「犯人ありきで心理分析している」
ということをヒロインから指摘されるが、
この話も犯人ありきで考えているかもしれない。
心理学的アプローチは、従来にない成果をもたらすとはいえ、
限界がある・・・ということを思い知らされる。
冤罪ってそうやって犯人ありきでフィルターかけられまくって生まれてそうだ。
無罪の人が有罪になるが犯罪者がしっかり裁かれる社会と、
犯罪者がしっかり裁かれないが無罪で裁かれることのない社会。
もちろん犯罪がないに越したことはないし、
罪相応の罰を与えることがいいのはまちがいないんだけど、
どっちがいいかというと後者かなあ・・・。
もっとも排反じゃなくて、学問とか技術とかの進歩で冤罪も、適当な罰量もいい方向に動いてはいるんだろう。
時代の進歩に期待。
7話
要約
功績が認められ、予算がつく。
テンチの家族とのやりとりが描かれる。
いろんな小物が豪華に
予算がついたことで、いろんな小物が豪華になっている。
一番印象的だったのは、尋問のときの記録用レコード。
以前のエピソードではホールデンがでっかいレコード
を持ちこんでいたが、7話以降ではちっこいやつを
使っている。
ドラマの最初で、でかいのを使ってて時代のせいかな〜と思ってましたが、予算がない部署だったからなんですね。ここらへん70年代を知らないので、誤解してしまいそうです。
あとクルマも豪華になった??
また、ヘッドホンを使っていたり。ほかにもあるかもしれません。
テンチの私生活
家族とのやりとりが切ないです。
うまくいかない、小さなことでギスギスする感じが
とてもきついです・・・。
特にいつもベテラン感を出しているテンチだと・・。
いつも冷静で大物感出してるときに家庭のこと
を考えたときもあったのかな、なんて思ってしまいます。
主人公ホールデンよりテンチのほうに共感します。
なんでもできるヒーローより、
あまりうまくいかない脇役のほうに
共感することってよくありますよね。
たまに活躍なんかするとさらにね。
とにかくホールデンは凄惨な事件を扱い、
個性的すぎる凶悪犯罪者たちに尋問しても
一貫して元気です。
考えてみればすごく過酷な状況であって、
参ってしまうテンチのほうが普通なんですよね。
・・・いよいよホールデンの異常なかんじが、高まってきますね。
8話
要約
子供たちをくすぐる校長がいる。
だが彼はやめようとせず、むしろ正当化しようとする。
権力があるため誰も何もいえない。
同僚との軋轢、恋人の浮気を目撃するホールデン。
追い込まれてきます。
結局校長は委員会(?)にかけられてやめさせられた。
(あんまり主人公関係なかった気がしますけど。FBIというお墨付きでやめさせるための決定打になっただけ。)
新たな仲間が登場。
だがホールデンの冷酷さが見える・・・。
子供と大人の関係にある微妙な問題
「大人が子供に対してすることは、
される本人にとっては正しいものとして
受け止められがちだ」・・・的なことを言っていたのが印象的。
そこが難しいところですね。
子供にとっては問題視してなくても、
それがおかしいことだと気づいてなくても、
大人の常識から見れば問題かもしれない。
本人はよくても、周りがよくないというかもしれない。
エスカレートするかもしれないからだ。
常に大人が気づかないといけない、
というところに難しさを感じますね。
一対一の個人として自由に振る舞うことが
できないわけで、これもパワハラの一種と
いってもいいかもしれません。
結局校長はどっちだったのか
オレはシロだった気もしますけどねえ。
もっと情報がないと、わからないですけど。
もっとも子供を持ったことがないですから、
これはオレには理解できないのかもしれません。
血のつながった、名前のある一人の子というより、
「ある年齢以下の子供全体」として見てしまっている
ような気がします。
あと思ったのは、なんだか展開が急すぎたと思います。
いきなり解雇ですよ。
その前に警告・厳重注意でもしておけば、解決したかもしれないのに。
もっとも、それを認めることは校長にとって小児性愛の傾向が
あることを認めることであって、難しかったかもしれませんが。
校長の奥さんが怒鳴りこんできたシーン
まず映像的な印象を。
何回もエレベーターのボタンを押して閉まらないようにするのがなんだか
すごいな、って思いました。
押したあとに、またエレベーターが閉まろうとするとき、
ああまたさっきのまくし立てた文で一気に時間が過ぎ去ったなというかんじが。
短い時間でとてもとても伝えられない、というかんじがしました。
さらに逼迫しているかんじ、近寄りたくもないくらい怒っている、というかんじがします。
ところで、この作品じゃないですが、特撮かなんかのウンチクで、
ここはこれがすごいんだよみたいに
人から教えられたことがありました。
正直ぜんぜんわかんなくて、
そういうのは裏話を前提としてて、裏話聞かないとわからないすごいものって
ぜんぜんすごくなくない?と思ったし、
今まで映像で感動したことってあんまりなかったけど、
このエレベーターシーンは、すごく印象的でした。
9話
要約
尋問でクソ悪いヤツになってヒントを聞き出すホールデン。
暴走気味ですが結果は出てます。
鮮やかに解決し、かなりマインドハンターな感じが。
尋問でえげつないことを連発したことを隠蔽。
直属の上司にはバレてしまうが、上司も仲間にする。
しかしラストでまさかの裏切りっ・・・。
完全に騙されました。
片田舎の風景で癒やされる、が
すごい田舎の風景が、癒やされました。
アメリカって砂漠ばっかりだと思ってました(失礼)。
そんな平和な街で起こったのは陰惨な事件。
最初8話の校長がやったのかと思ったけど、
ゼンゼン関係無かった。
だってタイミングと被害者の年齢がさあ・・・。
やめされられて、ムキになって、封じ込めてきた劣情が解放!
みたいなの想像してしまいました。
いつのまにか仲直りしている
前のエピソードで浮気をしていたヒロインですが、特に何もなく会話しています。
ホールデンはその場で走り去ったくらいなのに、正直よくわからない。
うーん、・・・
平然とレストランでエグい話をするホールデンたち
だんだん、世間と感覚がズレてきているかんじがしますね。
もともとズレてたのかもしれませんが、このテンポのよさは怖い。
嬉々として話しているようにも見えます。
実は一番ヤバいのはこいつらなんじゃないか・・・と思いながら
まあギャグシーンだよな、と自分を安心させた。
10話
要約
上司の厳重注意にもかかわらず、「バレたらどうする」ー「知るか!」と返すホールデン。人格変わりすぎだろ。
そしてさらに冴え渡るえげつないトークで刑務所で尋問をするホールデン。こわい。
しかしメディアにバラされてしまう・・・。
さらに主人公たちは隠蔽がバレ、さらにチーム内で誰が密告したか気づかず、チームのみんなは仲違いをする。
また、恋人を冷静に分析し「別れよう」という恋人からのメッセージを自分で導き出し別れる。
最後にエド・ケンパーと出会い、怖い思いをして発狂して終了。
結局ヤバいのはホールデンだよな、と確認
いつのまにかだった。
彼がヤバいやつだと思うようになったのは。
一番怖いのってこういうオチだと思います。
誰かと思ってたら自分が犯人という。
外部より自分の内面がこわい。
異常な執着、自信。いつからでしょう、彼がこういうふうになったのは。
明らかに1話と10話では変わった。まあチラホラ見えてはいたような気がしますが・・・。
才能が覚醒したかわりに、どこかおかしくなった。
特に、酔ったときだからかもしれないが、
一応尊敬はしていたようなケンパーを侮辱したり、
今まで尋問してきた犯人にひどい言葉をいったりしていた。
彼は環境が人間を作る、として比較的彼らを擁護しているように思っていたので違和感がかなりある。テンチが言う悪口を諌めたりしてましたね。それは犯罪者の人格に対してではなく、単に興味・研究としてのことだったんだろうか。
このドラマで犯罪者たちをひどく侮辱していたのはテンチの
ほうで、ホールデンは正義感から擁護しているように感じていたので意外だった。やや一貫性がないといってもいい。
また、この冷酷さが彼だとするなら、校長の奥さんへの冷徹な
態度なども、違和感なく思えてくる。
前兆はあったのかもしれない。
ラストに出てきた男性は、主人公??
たびたび出てきた、犯罪の準備してるっぽい男性。
ラストでは、ホールデンの描いていた絵?を燃やしていることから、何年かあとの主人公?
発狂したあとにダークサイドに堕ちてそうなった・・・みたいなのだと納得。
まとめ
けっこう長くなってしまいました。
まとめていうと、すごくおもしろい作品でした。
ホールデンの心理の隙をつく尋問の華麗さ、テンポのよさはぜひ
観ていただきたいと思います!
追記:シーズン2の配信が決定されたようです。