あらすじ
2010年11月〜2012年4月の間に書かれた、エッセイ集。
各章の内容を要約すると、
・男の経済状況から考える婚活ブームの理由
・国際力学から考えて北朝鮮の戦争が起こる確率は低い
・誰も変化を望んでいないことが閉塞感の理由になっている
・今の若い男を小説の主人公にできない理由
・政治は契約関係であり、期待の時代は終わった
・政府の原発事故への対応
・レバ刺し、テニス、卓球
・音楽は時代の必要によって生まれる
・友だちの特徴は「偏愛」
・寂しさがサービスの効用を高める。満足から感動へ
・豊かな食
・犠牲になる若者
・韓流ドラマの面白さ
・文化的に大きな変化が起きていないため、若者に情報・文学のアドバンテージはない
・若年層に社会的影響力がなくなっている
・テニスの進化
・「3・11」一年後…当時の記憶
・福島原発事故では多くの人が、普遍的で強烈な不安に耐えたことを忘れてはいけない
日付からわかるように東日本大震災の前後で、震災に関する記述が多い。
電子書籍『すべての男は消耗品である。VOL:12』の内容と同じ。
いまいち関連性のわからないタイトルのエッセイ集になってしまった理由
電子版のタイトルは『すべての男は消耗品である。VOL:〜』でナンバリングされていてわかりやすいのだが、書籍版はすべて全く関連性のなさそうな、タイトル。正直買う時にわかりずらい。なにしろこのシリーズのエッセイは13冊もある。
しかも、本の中のある1章のことばがタイトルになっているので、主題を表しているわけでもない。
それぞれの章で独立したテーマで書いている。
紙版は幻冬舎・角川・集英文庫(なぜ3つ??)だが、電子版は「村上龍電子本製作所」が出版している(全シリーズ合本をAmazonの「Kindle Unlimitiyed」で読むことができるのでおすすめ)。
最初にナンバリングタイトルにしないまま出版してしまったためなし崩し的に今のようになってしまったのだと思う。たぶん。