あらすじ
月刊ビジネス誌『BIG tomorrow』で連載された人生相談コーナーの2011年〜2012年をまとめて、加筆修正したもの。
読者層的に主にサラリーマンの質問に答えていて必然的に収入や会社関係のものが多いが、村上はサラリーマン経験がなく、あまり普通の人生相談とは言えないようなものになっていて、面白い。
質問は難しい
質問というより、目の前にある現実、例えば金がないから結婚できない、とか具体性、がないことにはアドバイスもできないようなことについての質問が多かった。
そのたびに、エクスキューズしてからもう少し一般的なことについて回答したり、前提について考えたりしていて、大変そうだなと思った。余計なお世話かもしれない…。
ほとんどの質問は、どんな回答がほしいのかがわからない。
Yahoo!知恵袋でよく見るやつレベルを想像してほしい。
そんなの事情を知らない人にわかるわけない、というものがほとんどだった。
が、まあうまく回避してというか、答えたていになっていたのはさすが作家だと思った。
考えてみればやりたいことや得たい情報が明確であれば、解決したも同然だが、わからないから質問しようとするのかもしれない。
リアルでも質問してくる人はそんなもんで、励ましてほしいだけで答えを求めていない。
が、まあ有名人の考えを知りたいというのもあるかもしれない。
笑ってしまうのは、サラリーマンをやったことがない村上龍に会社のことを聞いていて、そのたびに村上が私はサラリーマンをやったことがないので―といちいち書いていたことだ。
ビジネス誌だから多くの読者はサラリーマン。
悩みや疑問が生まれるのも会社が多い。
でも村上はサラリーマン経験がない―うん、なんか変な気もする…雑誌を本気で読んでる人なんて誰もいないだろうからいいんだろうが。
良い答えをもらうためには、何を質問するかのほかに、相手の経歴、専門について知らなければならない。
一つ、小説家を目指している彼なのですが、書いている様子がないです―的な質問があり、その回答は説得力のあるものだった。
まとめ
村上は様々な雑誌に寄稿し、それらをまとめたエッセイ集も大量にあり、読むのが大変、買うのも大変だ。
エッセイの傍らで小説も多く出している…。
優雅に海外で遊び回っている印象があるが、それと同じくらい書いて稼ぎまくっている。
まして才能もない人間がまずできることは、ハードワークしかないというのが、現実…。