コンピュータ 私見

素人集団の情報発信は閉鎖性を暴露してしまう

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顛末

1年前大学のゼミ活動で店紹介のサイトを1つ作った。
所属学生が1つずつお気に入りの飲食店を紹介するといういかにも学生ならしい自己満足なやつだ。
需要も価値もない。

ゼミはデザイン+企画みたいなよくわからないことを教えることを趣旨にしているらしい。
集まった目的もよくわからないゼミから、レンタルブログが流行る以前のお粗末な「ホームページ」な外見と内容のサイトが生まれるのは必然だったかもしれない。

なんとなくデザインということで関連しているように見えるし、店に取材に行くという企画性もあるような気がする。
私は単位が貰えればそれでいい。

自己目的化の極み・機能しない集団

ちゃぶ台を返したくなかったし楽そうなので活動が目的を見失っていてもひたすら黙っていた。
周りの人間も同じように考えていたと思う。
そして謎のものが出来上がった。
地方自治体がやっている、予算取りのためにやる地域振興策のようなことはこういう風に出来上がるんだな、と妙に納得した記憶がある。

作成から1年経ったが、当然というべきかアクセスはないようだ。

私もなのだが、なぜかウェブサイトは自己目的化してしまう率が高い。
伝えるべき情報がある、というよりウェブサイトそのものに価値がある、ようなことを考えてしまいがちだ。
情報媒体の一つに過ぎないのに、なぜか特別なものだと勘違いしてしまう。
それでいて検索エンジンには非常に厳しい競争が働いているから、目的を見失うと成功することはほとんどない。

原則としてより多くの人間の需要を満たす情報を提供すればいいというシンプルなものだが、その訓練の機会はまずないし、考えることも少ない。
なのでデジタルネイティブさとは関係がないが、なんとなくパソコンを扱える、「IT」ということで手を出すことが多いと思う。
ITは目的でなく手段に過ぎないという認識が持てない中小企業、学校…というありがちな集団が嘲笑に晒されることがあるが、周回遅れで私も体験したことになる。

見苦しいのは確かだが、個人だといいと思う。自己弁護かもしれない。
すべて需要、なんて考えてたらつまらない。

だが、何らかの集団でそういう現象が起きているのを発見すると、内部の意思疎通がうまくいってないんだろうな、外部に発信する情報がなく内輪だけでやってるんだろうな、と切なくなる。
閉鎖的な体質を、強調させてしまうと思う。それを伝えるくらいならないほうがいい。

順位競争に直に触れ合う

自己満足から脱するには目的をはっきりさせて達成するしかない。
ただしそんなにバリエーションはない、ウェブサイトにとってほとんど大前提なのは検索エンジンでの順位争いを制することだ(ユーザーの満足度≒検索順位のため)。
そのためには検索エンジンがどう順位を決定するかの簡単なメカニズムを知っておく必要がある。

原則としては投票だ。
政治ではなく経済の投票と同じことだ。

例えば近所のスーパーを思い浮かべる。
肉コーナーでは一面に様々な肉が並べられているが、よく売れる牛肉や豚肉はいいところに置かれ、2列や3列で陳列されたりする。
逆に売れないものは端のほうに並べられたり最悪棚から消えていく。
比較的レアな、羊肉などはどうか?買う人間が少ないので棚の面積は小さいが、種類は少なく競争はあまりない。
並べられていない種類の肉は?需要が無視できるほどないので投票が実行されることすらない(=検索で出てこない)。
ほとんどの自己目的化サイトはここにたどり着く。需要のない、得体の知れない肉なのだ。

このような、スーパーの品揃えをもっと大きく具体化して、満足度(効用)を測定したのが検索エンジンだ。
ただしユーザーが需要している情報は「牛肉」なんかよりずっと具体的で、それを順位決定の材料に利用している。

例えば検索キーワード「引っ越し 見積もり 鹿児島 東京」を考える。
やりたいことが明らかで鹿児島→東京の引っ越しだ。
もしここからサイトにアクセスして長く滞在すれば需要とマッチした、といえる。

でも「引っ越し 見積もり 鹿児島」だと意味が異なってくる。
グーグルが賢いのでだいたい県内のようだが、基本的に上のキーワードも含む概念だ。

基本的にキーワードを増やすと具体的になり、一番答えになる確率が高いものを表示する。
キーワードが少なく抽象的な場合は、満たす確率が高いものが選ばれる。
つまり「引っ越し」で出てくるサイト群は、サジェストされる「引っ越し 見積もり」の情報も網羅している確率が非常に高い。
そういう感じで具体性を網羅して初めて、抽象的な言葉でも上位に表示されることになる。

多くの場合足りないのはどのキーワードで上位表示するか、という明確な目的だ。
適度に需要があり大資本のないキーワードが決まれば、それを掘り下げ具体化して網羅すればいつか必ず表示されるようになる。

その作業は、インターネットのキラキラしたイメージ(古い?)と違い、全く楽しいものでもないし、頭を使うまでもない、単純作業だ。
が、適切な手順を踏めば確実に表示できることを知っておくことは意味があることだと思う。

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