ローカル 私見

吉野公園のフリマで考えたこと

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「TJカゴシマフリーマーケット in 吉野公園」に行ってきた。
TJカゴシマとはグルメやイベント情報を掲載しているタウン情報誌である。
イベント企画もやっているらしい。
実態はよくわからないが、鹿児島でよく聞きはするTJカゴシマ。
そこが主催している、フリマ。
行ってきた感想を書こうと思う。

異様に人が多かった

アプリでもフリマが賑わっているように、リアルでもフリマは流行っているらしい。
100店舗くらい出店していたと思う。
いや、100はなかったかもしれないが、確実に50よりは多かった。
去年より多かったらしい。

公園は中央に石畳と水路があって、その周辺に芝が配置されている涼しげなスタイル。夏は水遊びとかできる感じ。
石畳の先には桜島があって、シリアスな噴火をしてモクモクと煙が立ち上っていった。
風向きがこっちだったら地獄絵図が発生していたことだろう…(ちょっと見たかった)。

メインの300メートルの石畳の通路部分の両脇には店がみっちりと並んでいて、通路は客でいっぱいで通るのに苦労した。
たまに爆買いのオバサンが荷物をぶつけてくるのに注意しなければいけなかった。
郊外の公園にあるまじき人口密度に驚いた。

周囲の駐車場はすべて満杯になりグラウンドまで潰して車が置いてあったから、相当な客の入りだったと思う。
フリマってこういうものだったっけ?少し異常な気がするが、みんな暇なのかもしれない。

洋服多すぎ問題

肝心な商品はどうだったかというと、これが女物の洋服や小物が多すぎて(9割以上)肩身が狭かった。
まあタウン誌なんて読んでるのは客も出店者もおばさんや主婦が多いだろうから、仕方ないのかもしれない。
それにしても女性・おばさん比率は高かった。
客はけっこうおじさんとかじいさんとかいるのに(高齢化社会!)。

しかし、いくら客と出品者の層が偏っていても、出品物がかぶりまくるのは自然ではない。
競争を避け、多様化するのが自然な筈だ。
しかしフリマは一日限り。毎年やっているとはいえ去年の情報しか参考にならない。
去年洋服が少なすぎたのかもしれない。

服をよく見ていると、別に仕入れたというわけではないくらいの値段とデザイン。
世の中にどれだけ洋服が余っているのかを考えてしまった。
フリマにおいては、需要よりも供給のほうが優先される。
洋服は、想像以上におばさん世界に溢れているのかもしれない。
豊かでいいことだ。

子連れに悲哀を感じる

街を歩いていて子供を見かけることは少ない。
少子化か…というのを肌で感じる。
が、公園内には小さい子供を連れた若いファミリーがたくさんいた。
単に時間と場所の問題なだけで、子供はいるところにはいるということを知る。

自分より若そうな夫と、子を抱える奥様を見ると大変だろうなと思う。
羨ましい気持ちはほとんど感じない。
初々しい高校生カップルを見ると歯ぎしりするし、腕を組んでる大学生風のカップルを見ると悶々とする私であるが、子供を抱えているとシリアスで大変そうな感じが先行して羨ましさは感じない。
もちろん先行投資で、何十年後かにリターンしてくるのだろうが、リスキーなことだと思う。
若い男の給料で食わせるのは土台ムリだし、教育費かけないとリターンも薄くなるし、安月給では尊敬もされないし…
よほど親が金持ちなのか、バカでないとそんな勝負はできないが、彼らは…どうなんだろう…少し観察してみて、幸福さが溢れ出しているという感じもしなければ、金を持っているような服装でもなかった。

子供を育てるだけで幸福になるわけがない。
経済力という土台があって、幸福になる確率は上がる、その程度だ。
先の見えない社会で安い月給で子育て…幸福そうに見えないのは当然かもしれない。

アナログおもちゃは世代を超える

賑わうフリマの会場でそんなことを考えていた。暗い。
女物の服の次に多くあった商材は子供のおもちゃだった。
一時期しか必要にならないからフリマの商品としてはよくわかる気がする。

おもちゃは、当然だがどれも古かった。
とくにキャラクターものが多いから古さが際立った。
現在進行系で子供の方はたぶんわかんないだろうけど、まあ子供なのでどうやっても楽しめるものなのかもしれない。
「キャプテン翼」のすごろく板の入った黄ばんだ段ボールを大事そうに抱える子供が印象的だった(古すぎだろ)。
ファミコン時代からおもちゃ業界は攻勢をかけられていて縮小する一方らしいが、こうしてフリマで時代を超えて遊ばれるのは、アナログなおもちゃで、なくなることはない。

モノが溢れ、豊かな社会で、再利用することにも抵抗が少ない。
だが売り手と客を橋渡しする機能はじゅうぶんに広まっていない。
今後数年間でインターネットのフリマ等はどう作用するのか、気になる。

服が多かったのはもしかしたら、服だけはリアルで手に取らないと買いづらいからかもしれない…。
売るのが好きな人はもう服以外のものを気軽に売っぱらっているかもしれない。
すでに、変化は始まっている。

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