隠れたMVP
前回に続いて『鋼の錬金術師』の話題。
 敵味方問わず、個性的で魅力的なキャラが多いこの作品。
 だから誰がMVPだという論議はできるだろうし、人によっていろんな意見があって激しいもの?になりそうだ。
だが、 無名キャラモブ顔のMVPは誰なのか?
 というと、派閥の乱立する名有りキャラMVPと違って、明らかに一人の人物が浮かび上がってくる。
 むしろ彼は誰もが認める絶対唯一のMVPなのだ。
彼は、5期6話に登場した。
 いや、彼というのはよそう。今彼の名前を尊敬を込めて マイケル と呼ぶことにしよう。
 マイケルはブリッグズの兵で、グリードとキング・ブラッドレイが崖でぶら下がっている時に弾を当てた人である。
あえてそのときの状況を 文字だけで説明してみる。
○(ランファン)
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 ○(グリード)↓崖
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 ○(キング・ブラッドレイ)
崖で二人が落ちそうになってるときに、ランファンが支えている。
 余裕で100キロはあるのを、片手で支えている。すげえ筋肉ですね。
 グリードいわくオートメイルじゃ二人分支えきれねえと言ってたけど、生身でも絶対ムリ。
そこで支えているランファンが後ろでぼーっと突っ立っていたブリッグズ兵に「手を貸してくれ!」という。
そしてマイケルは、崖下のキング・ブラッドレイを狙ったところ、ナイフを投げられ阻止された・・・と思いきやナイフがあたっても狙いを定め銃弾を命中させキング・ブラッドレイだけが崖下に落下・・・めでたしめでたしみんなは楽しく暮らしましたおしまい、という話である。
て、あれ・・・?手を貸してくれってそういうこと・・?
 まさか荷物を減らす方向にいくとは思わなかったね。
 展開的にも セリフ的にも 絶対手伝う方向にいくと思ったが。
 手伝えというセリフに今気づいたと言わんばかりにおお、と答えてたのに、まさか撃つとは。あんたさっきまで後ろでぼーっとしてたじゃん・・・いや、マイケルを悪く言うのはよそう。
 これぞ、ブリッグズ兵なのだ。
 自分で考えることのできる集団。そうなると後ろで油売ってたのはナゾだが。
たぶんランファンもびっくりだっただろうね。
 油売ってる連中に手伝えアホ!と言ったら下撃ってくれるんだもん。
 「お前らそんなことする勇気あるの?じゃあ何も言わず最初から撃っとけよ腕から血ィ出てんぞボケ!」とか内心毒づいてたに違いない。
しかし何にせよ、これで致命傷を与えて、物語に大きな役割を果たしたのに変わりはない。
 マイケルに、乾杯。
